人気ブログランキング | 話題のタグを見る

鳥は向かい風に向かって飛び立つ

Hi! How are you?

(1)この夏の学生への推薦図書に、私は、竹中平蔵『竹中式マトリックス勉強法』(幻冬舎、2008年、ISBN978-4-344-01568-5、950円)をあげておいた。その第4章「竹中式英語勉強法7つの極意」に次のような文章がある。

(2)「若い人はもちろんのこと、シニアの方にも、お子さんにも、できるだけ多くの人に挑戦して頂きたいのが、語学です。語学は必ずしも英語である必要はありません。もちろん中国語でもいいし、スペイン語でもいいでしょう。いずれにしても、母国語以外の言語を習得するというのは極めて重要です。言葉とは、考えて話し、考えて書くこと。言葉を学ぶことは、思考力を鍛えることにも繋がります。さらに、語学を学ぶことは、その国の文化を学ぶことにもなります。」(123頁)

「ただし、外国語の勉強に関しては、最初から完璧をめざしても絶対に無理です。しょせん限界があると知ったうえで、挑むのが正解です。アメリカに生まれ育ったアメリカ人に英語が喋れない人は、いませんが、日本語より英語の方が得意な日本人もまたいないのです。」(123-24頁)

「アメリカに住んでさえいれば、誰でも英語がペラペラになるなんて誤解しています。そんなことはありません。」(124頁)「『ネイティヴ』レベルになるなんてことは、おそらく一生かかっても無理なのです。それの厳しさだけは、割り切ったほうがよいでしょう。」(125-126頁)

(3)本書は英語だけでなく、様々な分野での勉強の仕方の仕方について竹中氏の経験に基づいた智恵が光っている。もしこのような本を学生時代に読んでいたら、と悔やまれてならなかった。だから、学生に読んでもらいたいと思い、夏休みの推薦図書に加えたのである。もちろん、読むかどうかは、また読んで何を得るかは、学生それぞれの自由である。ただ、「ここに水辺がある、ここに泉がある、ここに、光がある」と告げるだけである。

(4)「『鳥は向かい風の中、飛び立つ』。これは、友人でもある歌手の谷村新司さんが、私がバッシングされているときに贈ってくれた言葉です。なぜなら、向かい風によって浮揚力がついて、高く上空に上がるから。人間の成長も、これと同じ。追い風にのってばかりいたのでは、流される一方で、扶養するエネルギーがつきません。とはいえ、向かい風に立ち向かうには、『自分ならできる』と式を鼓舞する強靭な精神力が必要です。そんなとき、力になってくれるのが、仲間の存在です。もっとも、『風がすごいからやめておけば』という仲間では、逆効果。励みになるのは、『You can do it !』と言ってくれるポジティヴマインドの友達です。」(208頁)

(5)向かい風に向かって飛び立つ鳥は、そのために足をすこしおって姿勢を低くするだろう。跳び箱を飛ぶ前には膝を曲げて飛び超える用意をする。今は、向かい風に向かって飛び立つ前の「準備のとき」だ。高い跳び箱を飛び越えるための「収縮のとき」だ。飛躍の前の収縮のときだ。家の「土台作りのとき」だ。「基礎工事のとき」だ。若者よ、向かい風に向かって飛び立て。

(6)「最後に私が強調したいのが、これから勉強して成長していきたいと思う人は是非、『高め合いのネットワーク』を持って頂きたいということである。『高め合いのネットワーク』とは、自分一人がどうなるかではなく、社会がよくなるにはどうしたらいいかを求め続ける心、すなわち『志』えつながった仲間が意見交換し、切磋琢磨する『場』です。こうしたネットワークを持つと、仲間同士が言意味のライバル意識を持ち刺激になる一方で、励まし、勇気づけ合う『心の支え』にもなります。ただし、『高め合いにネットワーク』は、まず一人一人が自立していることが条件。自立していない者同士が集まるのは、ただの『群れ』です。福沢諭吉先生の言う通り、『一個人の独立なくして、一国の独立はない』。まず勉強をして自分を磨くことです。」(214頁)

それでは、みなさま、ごきげんよう、さようなら。

by jedinagare | 2010-09-12 08:22 | 人生の羅針盤  

<< 重要な決断はオフに下される 嗚呼、若者よ! >>